続 愛の詩集

ライン

■■〜信じあう心〜■■

 清香は退社届を書き上げた後 拓哉への返事を書き始めた。

「昨夜は同僚の裕子ちゃんの家でお酒を飲みました。色々な話をしていて
家に帰り着いてからもまだあって間もないのに無償にあなたが恋しくて
飛んでいきたいほど会いたくて
泣いて泣いてそのまま眠ったみたい。

明け方目を覚ましてあなたのからの手紙を見つけました。
拓哉 あなたの手紙にはいつも驚かされます
遠くに離れていても私のことがすべて見えているかの文面に
愛されている事を痛いほど感じて読みながらまた泣いてしまうのです。
そしてあなたとともに生きるなら弱虫ではいけない。
泣き虫ではいけない。そんな風に思います。
あなたが私を守ってくれるように私もまたあなたを守っていきたい。
あなたが私を束縛しないように私自身もあなたを束縛したらいけない
それぞれが出来る事を精一杯頑張れば
いつの日か私たちは誰にも負けないすばらしい夫婦になれますね
大変な訓練を続けているあなたに余計な心配をさせないように
離れて暮らす今は自分のことは自分でしっかリ守ろうと思います。」

 今はまだ拓哉には退社の事は言わずにおこうと思った。
「なぜ?」
と聞かれたときどう答えればいいのか今はまだ分からない。
知らず知らずにかかわってしまっていた自分の回りに起きた事件は
自分で処理していくことが、余計な心配をかけずにすむのだから・・・・・
清香にはまだ、ほんとうのに愛の意味はわからない。
この後どんな人生が待ち受けているかも分からない。
ただ今は拓哉の帰りを待ちながら自分自身を整える事、それだけに集中しようと心に決めたのだ。

「明日は明日の新しい風が吹いてくれるわ」
清香はふっきれたようにぽつりと独り言を言った。

                                続愛の詩集 おわり


あとがき
 続 愛の詩集前24話ご購読ありがとうございました。
書き始めのころの予定では遠距離恋愛を全うした拓哉と清香が
晴れて結婚式をあげハッピーエンドで最終回にしようと考えていたのですが
書き進めるうちにまたいつかこの続きを書いてみたいと思うようになりました。
人と人が寄り添っていきる道程には数多くの喜びと幸福とともに
さまざまな困難と思いがけない試練がまちうけていることでしょう。
綺麗事では済まされない人生をいつか書く事ができればそれを乗り越えながら
「もしも赤い糸が1本だけなら
僕と君とで
透明の糸を何本も張りましょう」
の拓哉の詩にうたわれた通りに生きれたかどうかを書いてみたい。
まだまだもっとあとになると思いますけど 
清香と拓哉に作者が描く理想の人生行路をともに歩いていってほしいとおもいます。
与えられた人生を大切に誠実に生きていければ
人ではなく自分自身に問いかけ見つめて生きれたら、
独りよがりでも物事をプラスに考えていけたら
何があっても人は幸せでいられるそう信じています。

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