茶々のヒューマンウオッチング

ライン

■■茶々のひとりごと W章■■

猫

 生きていくって大変なことだよ、人間社会も私たち猫社会もね。。
それなりに縄張り争いとかあるんだし、食べていくだけならなんとかなる。
コンビニのゴミ箱だって燃えるゴミを出す前日の家のポリ袋だってあるんだから。。
おっと、これは猫社会の食べるための縄張りだけどね。

着る物だって私たちは季節によって体質で抜けたり増やしたりできるし、
住処だってさ、悪さしなきゃ縁の下でもするりと入り込んで雨露はしのげる。
そりゃ、血統書のついたセレブの族と雑種でも最初から養われている族には到底無縁のこと
私は両方だけど、とにかく自由なんだから・・・・・
そう思うと人間社会はきびしいよね。
決まりごとが多すぎし子供達には義務教育とか、大人は世間体とか。。
好きなようにやりたいようにやればいいのに、人間なんてつまんないよ。ぼっちゃんかわいそう・・・・
行きたくても行けないってことだれもわかってくれない。
ただ弱虫なだけじゃない・・・・ 冷やかされるのが嫌なんじゃない。
いろんなこと自分で決めてみたいんだ。。ぼっちゃんは少し早めに自立したがってる

 先生が帰っていったあとママはぼっちゃんに
「よかったね、先生あんたの言葉で小さい頃の悲しい記憶を消すことができたって」
そういうと、夕飯の支度にとりかかった。
ぼっちゃんは何でもないように自分の部屋に入ってテレビを見てる。何もかわっちゃいない。
私はぼっちゃんの膝にすわると。。
「にゃあ〜ん」
とひと泣きした。
「なんだよ、茶々。」
ぼっちゃんが私を見て小声ではなしかけてきた。
「そろそろぼっちゃんの願いを叶えてあげる時かな?」

朝、7時いつものようにママの声が聞こえる。
「おはよう〜ごはんだよ。」
おじょうちゃんはとっくに起きて制服に着替えているが ぼっちゃんは布団から出られない。
「ほら、朝ご飯は一緒に食べよう。」
ぼっちゃんの長い休みにママも前みたいにまくしたてることがなくなったみたい。
眠そうな目をこすりながらぼっちゃんが置きだしてきてテーブルの前に座った。
「また、遅くまで起きてんじゃない?眠れなかったの?」。
毎朝決まったようにおじょうちゃんのこの言葉から始まる。
「うるさい」
ぼっちゃんはにらみながらながら食事を始める。
おじょうちゃんのほうは黙々と口に食事を運んでるが、 そのサインでママは気持ちを抑えているようだ。

 7時45分になった。
「じゃ、行ってくる」
おじょうちゃんが部屋から出てきて玄関に向かうのを ぼっちゃんは黙って見ているが動く出す気配はない。
「いってらっしゃい」
元気なママの声が響く。
本当はとてもつらいのに、余計元気に声を張り上げるから ぼっちゃんは玄関がしまる音を聞くと
だまって自分の部屋に入っていった。

「にゃ〜」
ついていくと、ぼっちゃんはうれしそうに抱き上げて また布団の中に私を抱いたまま入り込んでしまった。
ママが後片付けをしている音が聞こえてくる。
ぼっちゃんの部屋はつながっているので、ママの足音がするたびにビクンとしているぼっちゃん。
「こりゃ、今日も学校に行かないな」
ママも今はもなにもいわないけど、気っつと心の中でそう思ってるだろう。
いまはもう、ぼっちゃんが自分で行くようになるのをまっているようだ。

 しばらくして
「ママもう仕事に行くよ。昼食は自分で準備してね。」
部屋をノックして声をかけてでて行くと、家じゅうがシーンと静まり返った。
ぼっちゃんはそのまま眠りに入ったようだ。
「さてそれでは始めようかな?」
私は布団から静かに抜け出すと表に出て空地に行くと仲間を呼び集めた。

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