たの部屋は
旅人を歌で迎える宿ありて
迷いてこらるる
深きえにしお部屋なり
楽しげに話しがはずむ夢の中目覚めるときの虚しき思い ただひとつ義父の教えし歌ながる眼(まなこ)閉じて聴くは「戦友」 「ため息をつくと逃げるよ幸せが」孫に叱られ一年過ぎん 大腿部痛みが走る顔しかめ明日は雨よ天気当ててみる だらけてる気持ち入れ替え白衣着るしゃっきりしゃんと背筋伸びをり 楽しんで もっと一杯駆け巡り かえりは黒く日焼けたっぷり
七夕の 飾りつけたる孫娘 願いはひとつ心を強くと
ため息をついて逃げるか幸せよ 戻っておいで私の方に たどり着く 疲れたからだ癒しつつ かすかに笑う君が愛しい
たてがみを なびかせ走る 馬の尻 一鞭入れて 気合十分 (やよいさん)
(松美さん) (青葉さん)
立ち止まりこれでも良いのだ思いつく 「はまち」が育てば鰤に成るのだ
頼まれた「ぶり大根」の買い物で 「ぶり」のアラ無し「はまち」のアラ買う (水無月さん)
田のうねり秋風が行く跡かしら私の心も波打っている 尋ねては たれか答へる甘い宵 見えぬかたとてだいじなるもの
他の人の 良いとこ探しの旅に出て 胸にあふるる笑顔で帰る 体力の限界のごと感じつつ 一歩踏み出すためらいの朝 宝箱 そうっと開ける日曜日 あの日の想いふつふつ湧いて (林 玲さん)
台風が 今年は数が 少なくて ゲリラ大雨 被害拡大 太陽が 水平線に 顔を見せ カメラ放列 海は輝く 七夕や 願いを書いた 短冊に 笹の飾りに 舞台演出
旅で見た 名所巡りの 数々に 我の瞳は 鷹を狙う目
台風が 南の国に 接近し 被害無い事 天に祈りて
黄昏の 師走の街を 足早に (ヤマパパさん)
例えれば スターマインか栗の花 隣りの大樹いまさかりなり 出し抜けに 人の手をとり冷たいと 心も同じ如く言いおり 達筆の 君に宛名をお願いし 貴女会計 我は飲む人 (えっちゃさん)
大輪の 花咲き誇る 向日葵に 想いを馳せる 初春の雪 佇みて 喜怒哀楽を とり去れば 残るは君の 温かき声
高いなら 買わずにおこう生野菜 代わりにトマト ジュースを飲もう (松吉さん)
出し直すストーブの前しゃがみ込み ペロリ舌だし ぼくに言い訳 (ふうさん)
たらちねの 母(おも)の性かな ややの音に 乳房の奥や しばし手繰りぬ (美佐緒さん)
(九里千人さん)
(きなりさん)
宝くじ列が出来てた最終日 戸惑い恥ずかしながらも並ぶ ただいまと 帰りくる場のあることの 喜び胸に文字を入れたる 旅立ちの 朝の風景雨模様 門出祝いし 甘露の雨かな たわわなる あじさいの花首垂れし、哀れに思いて雨ぞふりける
旅の空 目の下に見る雲海に 友と目あわせ万歳をする
たよりなき 母の言葉が耳につき 惹かれる思いで帰る道々 立場をば 逆に考え人思う 同じ心のあるすべなきも 団欒を 望む思いが親に子に 笑顔にみゆる春のひと時 だらだらと 時の流れに身を任せ さまよい生くるもたのしとおもえど
台風の 傷跡残る痛ましさ 里に帰りてその様(さま)に憂む 太陽に 向かいてのびるいさぎよさ 我もなりたやヒマワリのごと 戯れに 心のままの文字並べ 詠うておりぬ 甲斐なきものぞ 大海に ともに乗りあう縁(えにし)びと 舵取る方の粋な計らい 宝箱 愛しき歌の数々が わが歳月の 思い出となり たわむれの 歌に心の安らぎを 持ちて楽しむうたびとありき
耐え忍ぶ 日々のストレス満杯に グラスの酒もこぼれる涙か
(真理)
たらちねの おものさがかな ややのねに ちぶさのおくや しばしたぐりぬ